「15歳」はこの世で一番信用ならない

人は自分の経験で物事を計ることが常だと思うが、例に漏れず私もそうである。

学区選びを今後サブスクでリアルタイムレポしていこうと
思っているのだけど

そもそも私がなぜ学区選びにこだわるのか、
15歳がいかに危うい年齢か、

について脳の話も絡めながら進めていきたいと思う。

 

底辺公立中学のはなし

私が通っていた公立の小学校では、6年生の頃から友達の半数は煙草を吸っていて、
一部の私立受験する子以外は、そのままヤンキーだらけの地元の中学に上がった。

授業中に煙草を吸う生徒がいることは、もはや当たり前の光景だし、
(しかも一人じゃない)
それについて先生側も強く咎めたりはしない。
授業中に副流煙吸わされるのシンプルにどういうこと?

中三になると進路の話も出るが、
まず「どこの高校に決めた?」ではなく
「高校行く? 行かない? どうする?」から話が始まるレベル。

そんな県内でも1,2を争う荒れた中学で、私は入学早々明確な暴力を目の当たりにすることになる。

ある掃除の時間、廊下だか階段だかの掃除をクラスの数名としていた時に、ヤンキーの先輩(男)が来て騒ぎ始めた。
放っておけばいいのに、その場にいた、私と同じクラスの男子、ノブ(仮)が

「掃除の邪魔するな!」とキレた。

ノブは至って普通の生徒だったが、少しばかり真っすぐで、正義感が強かった。
ヤンキーの先輩はその場でノブの髪の毛を掴んで引きずり回し、殴る蹴るの暴行を加え始めた。

その光景の衝撃たるやすごかった。

幸い近くにいた年配の女性教師が気付き、すぐに間に入って止めた。

折れそうなほど細い腕でヤンキーの先輩の前に立ちはだかり、
「もうやめて!」と叫ぶ先生の後ろで

中一にしては身体の大きいノブが、縮こまって震えながら泣いている。

それまでノブのこと、ちょっと苦手だな、なんて思っていたけど、
見てはいけないようなものを見てしまった気がして居たたまれなかった。

今改めてあの光景を思い返すと、ノブのお母さんの気持ちになって苦しくなる。
もし息子が同じ目に合ったら?
ついこの前まで小学生だった可愛い息子が、
どこぞのヤンキーに掃除を注意しただけで引きずり回され震えて泣いているなんて考えられない。

被害届を出すことはもちろん、
その日のうちに血眼で転校先を探してしまいそうだ。

(次の日もノブは普通に学校に来て、普通に友達と笑っていたのでそれだけが救い)

そんな学校なので、教師側もわりと腐っていた。

ある男性教師は私の友達に
「今日俺の家こん?」「〇〇のルーズ俺が履かせたい」
などという最高に気持ち悪いメールを送りつけていた。

当時は「え、キモーいw」とネタにしていたけど
今は冷静に「気持ちが悪い」
全然笑えない。

 

毎日ネタが尽きないデンジャラスな学校生活も、
不思議なもので慣れればそれなりに楽しかったけれど、
楽しかったからと言って
「ぜひあの環境を我が子たちにも!」という気には全くならない。
(むしろどうやったら遠ざけられるのかばかり考えている。)

 

中学受験をしない選択をしている我が家では、校区選びが肝だ。
ヤンキーがヒエラルキーのトップに君臨していた母校を思い出すたびに、息子の学区選びに力が入る。

いや、もう小学校選びから始まっていると言っても過言ではない。

至って普通の学校を卒業した夫は、私のその情熱がどこからくるのかイマイチピンときておらず、度々ドン引きされる。

「どこで育てても同じ。それより悪い事に染まらんような育て方せなあかんやろ」

と言ったのは夫だけではない。

かなり前にインスタのストーリーで学区選びのことを呟いたら、
いくつか同様のDMを頂いた。

それも、そう。確かにそう。とてもワカル。その通りである。

でも、ご存じだろうか。15歳という年齢の危うさを。

 

15歳は有益であり、有害。

脳には可塑性というものがあって、詳しい説明は省くけど簡単に言うと「柔軟さ」。

柔軟なだけに、与える環境によって良くも悪くもものすごく影響を受ける。

良い環境を与えたら素晴らしい可能性を発揮する反面、
ヤンキーだらけの地域に放り込めば、ダイレクトに影響を受ける。
(もちろん子による、というのは言うまでもない)

しかも親離れの最中にいる、思春期大爆発のホルモンバランスガッタガタの15歳
は、ちょうど「悪いことがかっこいい」と思い込みやすい時期である。
これはもう生物学的に決まっていることであり、
読み聞かせの経験が~~幼少期の知育が~~~どうこうとか、そんなレベルではない。

嘘つきで、病みやすく、自己肯定感がジェットコースター。
なのに自尊心だけはやたら高く、絶対に子ども扱いされたくない
そんなどうしようもなくも、愛しい彼ら。

「ヤバい」と「ダルイ」だけで大体の会話が成立してしまう、
そんなちょっぴり病んでいて、
けだるげで無謀なことをできる自分達をどこかかっこいいと思っている、
そんな危うさを抱える15歳。
(これは極端かもしれないけど私の記憶の中の15歳って大体こんな感じ)

それは全部通過儀礼なのだ。

「リリィ・シュシュの全て(映画)」を自分のアイデンティティだと
勘違いするくらいならまだマシなレベル。

15歳の環境や過ごし方によって、人生を棒に振るってしまうことだって十分ある。

 

話を脳に戻すと、

田舎から上京してきた女子大生がギャラ飲みを覚えて港区女子に変貌していくように、
人がだんだん変わっていくのは、生涯に渡ってこの脳の可塑性があるからだ。

「15歳の脳はもう完成済み」
「幼少期までの育て方が大事」

と油断するなかれ。
私達が思っているよりずっと青年期の脳は成長期なのである。

ちなみにそれに唯一対抗できるのが
過去のサブスク記事にも書いた「自己制御」という能力。

まだ読んでない方はぜひ読んで欲しい。

心理学の権威が教える!教育で最も重要なのはこれ
続きを読む

 

「どういう友達を選ぶか」は、人生に大きく影響する。

「友達は選びなさい」

母親が言うこの言葉が、子供の頃は嫌いだった。

何となく高飛車な気がしたし、
「一緒にいて楽しい」「刺激的」それ以外の理由を友達に見出すなんてなんだかとても野暮な気がした。

だけど大人になった今、その大切さがわかる。身近にいる人間は吟味するべきだ。
でも15歳の頃、そんなことを考えられただろうか?

冷静に考えると、私にはそう言いきかせつつあんなヤンキー校区を選ぶ母親、あまりにも矛盾してないか?

青年期の未熟な自制心のみに全てを委ねるなんて負担が重すぎる。

 

 

今、大阪のある地域の子ども食堂で働いている友人は、
「ここでは絶対に子育てできないから引っ越すことを決意した」
と先日宣言していた。

その地域には、新しい商業施設もタワマンもあるけれど、
昔からの地元の人間が多く、「地元の先輩後輩システム」が、
中学を卒業し社会人となり、妊娠・出産を経てもまだなお何十年も根付いていて
それらはそのまま次の世代、つまり子ども同士の力関係にもダイレクトに影響している。

虐待・ネグレクト・10代での妊娠出産も多い。
その荒れっぷりは数字にも表れていて、
公立出身者の大学進学率の全国平均が21.7%に対し、
その地域ではまさかの8%という数字を叩き出している。

 

 

「どこも同じ」と言った夫の言葉に私は同意できない。
もちろん学年や個人によっても変わることは重々承知だし、
確実なんてものはないけれど、

それが「選ぶ」権利を放棄する理由にはならない。

 

というわけで!!(気を取り直して)

私の引っ越し計画は始まりました。
ついに。ついにですよ。もう6月なんですけど(遅)

ちなみに私が今住んでる地域も、
この2.3年だけでも全国ニュースレベルの事件多発してるし
駅前のマックで中学生煙草吸ってるし、道は糞だらけだし公園ゴミだらけだし

「〇〇に住んでる」と言うと

「あ~一人暮らしするにはいいよね!子育てはアレだけど!」
と軒並み言われる場所である。

でもさ、一方で立派な分譲マンションガンガン建ってて
商業施設もできてめちゃくちゃ便利になってるから、
実際住んで見ないと分からないってところがまた厄介だよね。

 

以前、フォロワーさんと学区選びについてDMで教えてもらっていた際に
「家賃の高さは治安代ですよ」と言われたのが印象に残っている。(名言かな)

 

なるほど、治安にお金を払っているのだ、と考えたら

SUUMOを見ながら毎回思う、

「なんでこのギチギチの狭さにこの賃料やねん!
やってられませんわホンマ!」

という気持ちも薄れてゆく。

 

また学区選び・物件選びについてサブスクでレポしていくので
同じように考えている方の参考になればなと思います!

この記事を書いた人
さいとう

★インスタフォロワー4万人御礼★
数多の育児書や論文から立証された心理学や
研究結果を子育てに役立て、発信していきます。
有料記事の売り上げの一部で児童養護施設へ絵本を贈ります。
【2024年2月予定】
4歳男の子*子育て中!

さいとうをフォローする
Uncategorized
さいとうをフォローする
明日なにして遊ぼかな

コメント

タイトルとURLをコピーしました