今年も大変お世話になりました

人生は30過ぎてからが本番。

 

30歳を過ぎてから挑戦したことって何かありますか?

中には、「まだ20代だから関係ないよ~」って方もいると思うのですが、
現実問題、本人の意思とは関係なく、勝手に30に突入します。
(そして案外あっという間)

 

確実に失っていくもの

加齢とともに減少していくものならいくつもあるけど、
その際たるのは「行動力と知的好奇心」

 

行動力・知的好奇心は

年齢と共に緩やかに減少を続けていく
ということが研究で分かっている
し、
実際身に覚えがある方も少なくないと思う。

加齢は確実に私たちの心に
「怠惰」という言葉を植え付け、
「挑戦」とか「とりあえずやってみる」とか、
そういう感情を腐らせていく。

私も10代・20代の頃のような無鉄砲さはなく、
結婚出産と共に何事も「攻めより守り」に転じてきた。

とはいえ、全くの廃人というわけでもない。
30歳を超えてから行動力を発揮したことが二つある。

ひとつはインスタを始めたこと。

もうひとつは、
32歳の時に教習所に通って
生まれて初めて車の免許を取ったこと。

 

「今更すぎる」という夫を説得し、
教習代の30万円を払いに行った3年前の11月。

すごく悩んだ。
当時息子は完全自宅保育状態。
私がいないと生活がままならないし何より生粋のママっ子。

今なら「一時保育利用すれば?」で終わる話なのだが
それまで一切物理的距離を取っていなかったゆえの弊害なのだろう。

息子を預けて今、免許を取らなければいけないのか?
ということに悶々としていた。

が、現実、車の免許は欲しい。

結局夫の反対を押し切り、申し込んだ自動車教習所。

なるべく早く終わるよう、授業をぎゅうぎゅうに入れ、
合宿でもないのに最短2週間で取れるスケジュールを組んでもらった。

が、
渡された実習予定表を見て白目を剥いた。

クリスマスイブに実習が入っている……(絶望)

 

その時点でまず心が折れそうになった。(想定外1)

2歳の息子を託児所に預けることも初めてだったし、

・絶対に遅刻してはいけない
・休んだらスケジュールが全てズレる

というプレッシャーに、始まる前からもう吐きそうになっていた。

実際、初講習の前日に胃腸炎に罹り、
家族全員で信じられないくらい吐いた。(想定外2)

 

そんな絶望的な状況で幕を開けた自動車学校。

初めて息子を自動車学校併設の託児所に預けた時
息子は私と離れるのが嫌で泣き叫んでいた。

保育士さんから

「お母さんもう行って下さい!」と言われるまで離れられなかった。
「ママぁ」と泣きながら小さな手を懸命にこちらに伸ばす息子を置いて行った時は、正直泣いた。

 

しかし仮免に2回落ち(想定外3)
夫に
「仮免2回も落ちるヤツ見たことない。もう向いてないからやめろ」
と罵られながらもなんとか卒業できた自動車学校は、
思っていたよりずっと楽しく新鮮だった。

(30代で免許を取るなんて私だけなのでは……?)

当初そういう不安もあったが、
入学式の時には意外にも様々な年代の人がいてほっとひと安心。

教官怖かったら泣いちゃうな……
とも思ったがそれも始まってしまえば杞憂に終わった。

(あれ? 思ったより楽しいぞ……?)

時間割り、教室、授業、教科書……
そのどれもが学生時代に戻ったようで新鮮で楽しかった。

そして意外なことに、息子と物理的に離れる時間ができたことが
とてもリフレッシュになっていた。

初めて預けた時はあんなに罪悪感でいっぱいだったのが
「あれ? 1日数時間息子と離れるだけでめっちゃ楽ですやん」
という考えに変わっていくのに時間はかからなかった。

先生はみんな優しく、キャラも年齢も様々だが、
嫌味な言い方をする人や威圧的な人は特にいなかったし、

なんなら羽生君に似た爽やかイケメンの先生がいて授業が楽しかったので
学科の時は毎回前の方の席を陣取っていたくらい。(目の保養)

 

教習所での出会い

想定外に友達ができた。

出会ったのは初日の説明会の日。

教室が分からず、たまたま近くにいた若い女性に尋ねると
カタコトの日本語で教えてくれた。
その時、彼女が日本人ではないのだと気付いた。

説明会が終わったあと、私の前に座っていたその子がくるりとこちらを向いて
丁寧に「よろしくお願いします」と名前を教えてくれた。

バリ島出身で、日本人男性との結婚を機に日本で暮らしている
インドネシア人の女性だったのだけど、

「出張でバリに来ていた今の旦那さんが空港の免税店で働いていた彼女に声を掛けて→結婚」
というエピソードに納得してしまうくらい、
彼女はとても美しく、そして優しかった。

 

毎回授業が被っているわけではなかったけれど、
会うたびに話し、運転難しいねーと励まし合い、LINEも交換した。

まだ日本に住んで5年だというのに日本語はペラペラで、
難しい学科の教科書を使いこなす彼女はとても頭が良いんだろうなと思った。

 

さらに彼女は、私の息子と1歳違いの子を育てている女の子ママでもあった。
「育児」という共通の話題ができたことで
私と彼女の距離はさらに近くなった。

ある時彼女が小さな男の子の写真を見せてくれた。

「私の息子。もういないけど」

それは5歳の時に交通事故で亡くなってしまったという彼女の息子さんの写真だった。
色んな写真をひとつのムービーに繋ぎ合わせた、その大切な映像を、私に見せてくれた。

誕生日ケーキの前で幸せそうに笑うこの可愛い男の子が
もうどこにもいないんだと思うとどうしようもなく悲しくなって泣いた私を見て、
彼女は「ありがとう」と笑いながらハグしてくれた。

「何でそんなに強いん?」

と聞いたら、やはり笑いながら答えた。

「時間が経ったから」と。

無神経な質問をしてしまった私を、彼女は一切責めなかった。

 

教習所を無事卒業した私たちは(私もなんとか卒業できた)

「落ち着いたら子どもも交えて遊ぼう」と約束し、別れた。

しかし、あれ以来彼女とは一度も会っていない。
卒業してすぐの年明けに、彼女からLINEが来ていた。
新年の挨拶と、近況報告、そしてまた会いたいという内容。

もちろん返事をしたけど、それ以来彼女からは連絡がなく、また私も日々の忙しさに気を取られてこちらから連絡はしなかった。

あれから3年が経ったけど、ふとした時に、
彼女と、彼女の息子と、そして彼女の家族のことを思い出す。

とても短い期間だったけど、私たちは本当に色々な話をした。
お互いの家族のこと、子育てのこと、これからのこと。
きっともう会うこともないのだろうけど、美しく聡明な彼女の姿と
優しい話し方は今でも思い出せる。
私の人生史に残る素晴らしい出会いだったと今も思っている。

それだけでも、あの時教習所に通うことを決めて本当に良かった。

今と同じクリスマスシーズン。
早朝寒さに震えながら教習所まで自転車を爆漕ぎしていた。
「時間を守る」ということがなによりも苦手な私が
一度も遅刻せずに済んだのは奇跡に近い。

出来ない理由を並べることはいくらでも可能だったけど
30万を支払ったあの日、私は己の中の精神的な意味での「加齢」に打ち勝ったのだ。

 

大人って最高。

「ママはいいなぁ」と、息子はよく言う。

「息子くんも早く大人になりたい。ママみたいになりたい」
ともよく言う。

私の何がそんなに良いのかはよく分からないけど、気分は悪くない。

私もそうだった。
子どもの頃から早く大人になりたくて
(私は母のようになりたいとは思っていなかったけど)
「将来住む理想の家(広い庭付き)」の絵を描き(叶ってない)

一人暮らしをして、好きなインテリアに囲まれて
自分で料理をする、かっこいい自立した女に猛烈に憧れた。

(当時の私的に「自立した女=料理ができる」だったの謎)
(自立の解像度低すぎる)

子どもは大人の指示通り動かないといけないし、
夜遅くまで遊べないし、寝る時間まで決められている。

毎日行きたくもない学校に行かなきゃいけないし
管理された生活の何もかもが窮屈で、正直うんざりだった。

 

そして今、息子もまた、私と同じことを言っている。
「子どもはつまらん」と。

ものすごく、分かる。
大人になってみて心底実感するけど、
本当に子どもの生活ってやつはつまらない。
しかも自分も周りも未熟なので、どうでもいい諍いが度々起こる。

 

当時、大人は決まって

「子どものほうがいいよ~大人は大変」
と言っていたけど、全くそうは思わない。

大人になって良かった。
大人、最高すぎる。

 

“よく分からんけど大人ってなんか楽しそう”

我が子はもちろん、
子どもたちにはそう思ってもらいたい。

「楽しそうな大人」の姿を子ども達に見せるのは、
もはや我々の義務ではないかとさえ思う。

 

今後も変わらず新しいことに挑戦できる自分でいたい。
そしてその姿を息子に見てほしい。

最近フォロワーさんでも、新しいことに挑戦してます!
って方が多くて、そういう報告を聞くのが本当に楽しい。

何にせよ遅すぎることはない。
やなせたかしだって、50歳からアンパンマンを描き始めたのだから。

まぁ……この3年全然運転してないけど。(免許意味無し)

2024年が終わります

あっというまの一年でしたね!あれ、もしや私だけか!?←

とてもしんどくて、とても幸せな一年だったのは
家族はもちろん、インスタでいつも見て下さってる皆様のおかげでした。
本当に、リアルの友達より救われたことも。

いつまでこのアカウントが(というかインスタというプラットフォームが)
あるか分からないけど、
子どもたちが成人して、子育てが終わっても、みんなとは繋がっていたい。

老後の暇つぶしに「平成ババァのライフハックアカウント」とかやろうかな←

 

みんなもやりたいこととか
なんとなく「こなったらいいな~」って漠然と思ってること
誰にも言えないけど、密かに目標にしてること。
あるかもしれない。

ママだって色々あるよね!!
自分の人生を面白くするために、色んなことに首突っ込んでいこう。

というわけで来年もよろしくお願いします!

さいとう

 

 

この記事を書いた人
さいとう

★インスタフォロワー4万人御礼★
数多の育児書や論文から立証された心理学や
研究結果を子育てに役立て、発信していきます。
有料記事の売り上げの一部で児童養護施設へ絵本を贈ります。
【2024年2月予定】
4歳男の子*子育て中!

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