教育ビジネスの餌食にならない為に!
「幼児期に必要な事」の真実とは?
どうも!
学生時代の好きなタイプは天沢聖二ですヨロシク。
頬を赤らめて歌うしずくに、こちらも赤面不可避。
突然ですが、知育オタクの皆さんなら一度は聞いたことがあるでしょう、
なんかきな臭いな……(ざわ……ざわ……)
と、非常にざわついたのを覚えています。
私は世の中を斜に構えて見る事しかできない悲しきモンスターなので
この説に対しても教育業界のビジネス臭を感じ取ってしまい、イマイチ信用できませんでした。
今回は私が集めた脳科学の専門家からエビデンスをまとめ、
を(私なりに)結論付けましたので、ここに残しておきます。
早期教育されている方を否定してしまう内容になるかもしれませんが……
そもそも科学に終わりはなく
常に「Aが正しい」「いやBが正しい」と、せめぎ合っていくものなので
そこはむしろ、
へぇ~こんな意見もあるんだ~まぁ私はそう思わないけど
という強い意志を持って読んで頂けたらと思います。
そもそも脳はブラックボックスである
Greenoughの実験を知っていますか?
色んな玩具を入れて育てたラットでは
脳にどのような違いがあるのか?
※ラット苦手なのでハムの写真で代用
豊かな環境で育てられたラットのほうが脳が重く、
ニューロンの枝別れやシナプスの数が多かった。
更に迷路を用いた脳の機能を測る実験結果も、優れていた。
しかしこの実験には穴があり、ラットの年齢が人間の年齢に置き換えた際、
幼児期ではなく少年期だった事、や
完全に人に当てはめる事は大きな疑問も残るそう
また、
どの程度の環境なら良くて、逆にどの程度の悪環境なら脳の成長を阻害するか
という刺激の量について長期に渡る明確なデータはされていない。
なぜ「3歳まで」と言われているのか?
一体だれが、どういう根拠を持って言い出したのか調べてみました
すると、「脳の全ての機能が3歳までに80%完成する」のではなく、
3歳までに8割完成するのは、
脳の重さのことだったんです。
むしろ長期記憶に関連する大脳の前頭連合野や前頂連合野、側頭連合野などの発達は
3歳を過ぎてから進みます。(別に覚えなくて良いです)
「賢い子に育てる究極のコツ」の著者、脳科学者の瀧靖之先生も、
自身の著書の中で脳の成長についてこんな記載をしていました。
0歳・・・図鑑/絵本/音楽
3〜5歳・・・楽器/運動
8〜10歳・・・語学
10歳〜思春期・・・コミュニケーション
脳の領域によって発達のピークとなる年齢は違うので、「3歳までに80%」と早期教育を促すのは過剰広告なわけです
幼児教育と早期教育は違う
誤解して頂きたくないのは、早期教育と幼児教育の違いについてです。
・幼児教育とは
モンテッソーリ教育などは「幼児教育」に分類されます。
・早期教育とは
一般的な年齢よりも早く始めるため、早期教育とよばれている。
社会性など生きる力を身に付けたりすることを目的としています。
私個人的には「幼児教育は絶対必要」だと考えてます
脳科学者たちの見解
ここで、早期教育や子供の発達について色んな研究者の意見を集めてみました。
・開一夫さん(東京大学教授で発達認知神経科学)
例えば早期教育用の学習教材で、その効果を科学的に証明したものはありません。消費者のニーズがあるだけです。
スポーツや音楽の才能もすべての子どもがプロになれるほど伸びるわけではない
・脳神経外科専門医の林成之さん
3歳までの子どもの脳で最も伸ばすべきとしているのが、
好奇心などの「本能」に根ざす部分。
3歳までは神経細胞は発達していますが神経回路は発達してない。
この時期に無理に学習を詰め込むことは脳への負担になり本能的に学習嫌いになる
・獨協医科大学の永井伸一名誉教授
頭のよい子ども、自主的に勉強できる子どもに育つかどうかは、
中学生までに親がどう関わったか、それによってどのような脳がつくられたかで決まる
楽しいと感じれば、脳は活性化し、グングン新しいことを学べるのです。
逆に面白がれなかったら、何を見ても聞いても知識は深く根付きません。
だから、小さい時から塾に入れてしごいたとしても残念ながら本当に頭のいい子は育たないんです
・脳科学者 澤口俊之さん
気をつけなければならないのはI.Q中心の知育教育一辺倒になるとトータルバランスの悪い人間になってしまうということです。
・脳科学分野の権威 小泉英明さん
(文字を教え込むなど)
小さいうちにそういった“不自然な教育”に時間を取られて本来伸ばすべきことがおろそかになる
以上、5人の専門家方の意見でした
これらを読むと、言葉のチョイスやニュアンスに当然違いはありますが、
全員が結局同じ主旨の事を言っていると思いませんでしょうか。
子ども自身が見つけた好きな事にとことん打ち込む
さかなクン母最強説がまた裏付けされてしまった
いつもの貼っときます。
早期教育が重要だと言われた根拠とは?
ここでひとつの疑問が浮かびます。
脳科学者や発達心理学の権威ある先生方が、こんなにも早期教育不要論を唱えているのに、
早期教育の必要性を一番初めに説いたのは一体だれなのか?
きっかけはノーベル経済学賞の受賞者でシカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授という方のようでした。
というような内容の論文を発表したことが、
日本でも注目を浴び、現在の過熱する早期教育に繋がったと考えられます。
また、ソニー創業者の井深大さんが著書「幼稚園では遅すぎる」を出したことも
日本の早期教育の過熱に繋がったのだとか。
が、ヘックマンが言いたかったことは決してそういうことではなかったんですね。
ヘックマンの研究「5歳までの教育が40歳時点での将来に影響する」
まずは
ヘックマンの研究がどのようなものだったのか?
ヘックマンは、教育は「投資」と考えており、
どんな投資(教育)をすれば、
将来、より多くのお金が稼げるような人間になれるのか?
労働の生産性を上げられるのか?
また、社会にどんな影響を与えられるのか?
についての研究をしていました。
123人と、非常に小規模な研究にも関わらず評価されているのは、
50年以上という長きにわたって追調査されているからです。
この実験では、
・就学前に、質の高い教育プログラムを受けさせた貧困層の子ども達と、
・なんのプログラムを受けていない、同じく貧困層の子供達
このふたつのグループを長期に渡って比較した結果……
・収入
・犯罪率
・持ち家率
などで顕著に差が表れたそうです。
よって、「5歳までの教育が将来を決める」
と結論付けられたものとなりました。
しかしこれにはポイントが二点ほど。
もともと対象が貧困層の子供達ゆえか教育プログラムを受けた子でも
「秀でて社会的に成功した例」はなく、
その結果は平均よりも少し下か平均程度だったそうです。
つまり、
日本の知育ママ達が考えるような「社会的成功」とは異なる
そして、何より
プログラムを受けたか受けなかったかで小学校中学年以降に差はみられなかった
それ以外の数値化できない要因を「非認知能力」と名付けました。
よく聞くやつ!!
つまり、
将来の成功度を決めるのは学力重視の教育ではなく、
非認知能力を高める教育だと結論付けたわけです。
アメリカでは盛んな非認知能力教育
日本でも知ってる方(主にこのブログを読んでいるような知育オタクの皆様)は
当然知っているであろう「非認知能力」ですが、
アメリカでは更に盛んに研究が行われています。
早期教育 vs 遊び
シカゴ大学のジョン・リスト教授らがめちゃくちゃ大規模な実験を行いました。
約10億円(!)もの支援を受けて実験用の幼稚園を創ったのです。
ベルサイユ宮殿みたいな幼稚園なのかな……
以上に分けて長期の追跡調査をしました。
十数年後、当時幼児だった子供達が成人した後の生活を比べてみると、
幼少期に早期教育をせず、
遊び中心のいわゆる非認知能力を高めるグループの子達のほうがパフォーマンスが高かったそうです。
アメリカさんは教育の研究に対するお金のかけ方が違うわ。(総理……総理、聞こえてますか……岸田総理……)
永田町にとどけ
早期教育の過熱化
ヘックマンの実験結果がきっかけで、
「幼児期までの教育が大切」と
日本でも広まりを見せたわけですが、
それがいつの間にか早期教育が重要だと解釈され、教育ビジネスの過熱化に繋がったのは皮肉だなと思います。
「人間の脳は3歳までに8割が完成する」説と同様、
あたかも科学っぽい、拡大解釈された神話が一人歩きして
あれもこれもさせなければ!!
と、世の教育意識の高い親たちを焦らせ、財布の紐を緩ませまくっているのではないかと。
実際、私も息子(当時1歳9か月~)をベビー公文に通わせている時はそうでした。
かなり熱心な先生で、
「九九を覚えさせましょう!!」
「漢字を覚えさせましょう!」
「〇〇をさせましょう!!」
と、その時は私も
はい!!先生!!
と星飛雄馬さながらに息子の意思を置いてけぼりにして突っ走ってました。
実際息子は2歳になりたての頃に九九の2の段を言えるようになっていたり、
数字盤をひたすらやらせてみたり……
今思うとマジでそれがどうした案件なんですけど、
もう九九覚えた! すごい!
と当時は何の疑いもなく思ってました。
でもある時、公文の教室で「やりたくない」と嫌がる息子に、
先生が無理矢理漢字盤の教材をさせようとしてるのを見て目が覚めたんですよね。
先生もなんかイラついてて、息子に対して否定的な言葉を投げかけたり。
(あ、これ一番アカンやつや)
その日の帰り、息子への申し訳なさからほとんど泣きそうな気持ちになりながら
公文どう? 楽しい?
と聞くと、
たのしくない
そっか。じゃあもうやめよっか?
もうやめる
結果、退会の連絡をしました。
今はやめて良かったと心から思いますし、息子には申し訳ないことをしました。
適切な年齢にやれば1の労力でできるようになることを
わざわざ先取りして10の労力を使わせる必要はないなと、
そこに無理やり10の労力を注がせるなら、
他にもっと外遊びや、息子の好きな電車ごっこをしていればよかった。
これは息子には公文のシステムと先生が合わなかったという話なので、公文が好きで自主的に楽しんで取り組んでいる子を否定する意図はありません。
あと全部が悪いわけではなく、楽しんで取り組んでいる時もありましたし、
通わせて良かったなと思う場面もたくさんありました。
だけどそれを差し引いても、この時期に勉強的な事は必要なかったなと今は思います。
※本来のベビー公文は勉強重視ではありません
多分、あのまま続けてたら公文どころか学習自体嫌になってたんだろうな……。
あくまで我が家の場合です(念押し)
結果、3歳までに何をさせるべきなのか?
今回は、早期教育不要論を中心に唱えましたが、
これは「じゃあ何もしなくていい」という事が言いたかったわけではありません。
3歳(というか幼児期)の環境はめちゃくちゃ大事。
だからこそ、やれ知育アプリやら、やれワークだ高額教材だと、
教育ビジネスに踊らされない選択をしていきたいなと改めて思いました。
もちろん、これらを好きで主体的に楽しんでやっているお子さんにはどんどんさせてあげて下さい
しかし動機が親の見栄や焦りから来るものなら、長期的な効果は望めないということです。
(たとえ短期的な効果は出ていたとしても)
逆に言うと、教育に関する数多くの情報や煽りに焦って、
「お金をかけなければ」「早く始めなければ」
と思う必要はありません。
むしろそこに時間を割いたが為にその年齢に合った、本当に必要な活動や学びが得られなくなる可能性があり、そっちのほうが損失です。
世界基準の教育
こちらの著書では、
幼児期に本当に必要なのは
一人でじっくりと暇を持て余す「余白の時間」だと言っています。
この余白の時間があるからこそ、様々な創造ができたり、閃きが生まれたり
遊びを開発したり、集中して一人遊び(フロー体験)ができるわけです。
この本まとめたいんですが、全部の章が良すぎてまとめられないので
是非手に取って読んで欲しい一冊です!
教育熱心な知育ママさんであればあるほど、我が子がただ家で遊んでいるだけの姿を見ると、
何の生産性も感じない
有意義な時間ではない
と思ってしまう事もあるかもしれませんが、決してそんなことはないんですね。
子どもは何も「勉強・知育」的なことをする時にだけ頭を使っているわけではなく、
大人が思っているよりずっと、普段何気ない日常の中で
いろんな考えを張り巡らせているわけです。
その自由な思考を「知育」と名の付く活動で疎外してしまうのは非常にもったいないなと。
NASAの採用基準の変化
NASAのジェット推進研究所の幹部が、採用方法を変える必要を訴えているよう。
以前は高学歴で高成績を収めたいわゆるエリート層を採用していたらしいのですが
そういった若者が必ずしも問題解決能力が高いわけではないという事が分かってきました。
学業が秀でている若者と、ユニークで独創的な発想を持っているかどうかは必ずしも繋がりがなかったそうです。
ユニークな遊びや作業をした経歴を持っているかどうか
五感・睡眠・遊び・絵本…… そして何より大事な事は
前述したように、子供に余白の時間を与える事が重要ですが、
それ以外にも大切なことがいくつかあります。
1.睡眠
東北大学の研究では、健康な5~18歳・290人の平日の睡眠時間と、記憶をつかさどる海馬の体積を調べました。
その結果、睡眠時間が10時間以上の子どもは6時間の子どもより、
海馬の体積が約1割も大きかったそうです。
まぁ4時間も違ったらそらそうなる
海馬が発達するのが3歳以降なので、この研究の対象ではありませんが、
5歳になったからと言って急に早く寝るようになるわけではなく、
結局はそれまでの睡眠習慣の継続なので、できるだけ早く寝かせる事はしていきたいです。
2.五感を刺激する
新生児の時から大切なことがあります。
それは……
脳の神経細胞(ニューロン)を多く繋ぐこと!
その為には、ニューロンとニューロンを繋ぐ役割のシナプスを増やす!
シナプスを繋ぐ手段として有効なのが、
3.語りかけ
まぁこれはもう、知育ママさん方なら常識なのでわざわざ言うまでもありませんが、
絵本!!
賢い人はみんなもれなく幼少期から本が好き。(私調べ)
インスタのハイライトにおすすめの本を見つけ次第バンバン入れていってるので
興味のある方はぜひ見てみて下さい。
理数系・文系・アート系・学習系……とジャンルごとに分けています!
4,最後に、これが最も重要
教育虐待とは、ドラマ「2月の勝者」で島津のオヤジが息子にやってたような事です
中学受験ドラマ「2月の勝者」に出てきた教育パパ・島津の親父から取った造語。
子供を何時間も無理矢理勉強させる。
点数が悪かったり、期待に応えられなければ怒鳴る・暴力を振るうなど
「島津る」で検索したら出てきます
恐らく島津ってしまうような人はそもそもインスタで知育垢は見てないと思いますが……(島津のオヤジも自分がルールなので基本他人の意見は興味ない)
つまりは、子供の脳を委縮させないこと。
どんな知育よりも重要。
これに尽きる。
イライラしてる時なんかに「子どもの失敗を必要以上に怒る」なども結構やっちゃいますよね……
そう、島津のオヤジのように……(もうええて)
じゃああの有名ママはどうなのか
ここで思い浮かぶ方がいます。いますよね?
そう、佐藤ママです。
息子3人・娘1人を全員東大合格させたあの佐藤ママです
佐藤ママはバリバリの公文信者&早期教育推奨ママです。
佐藤ママの子達が早期教育に成功してるんだから
やっぱり早期教育は効果があるはず!!
そう思ったあなたは重大な事を見落としているよっ!(キラリ)
佐藤家はそもそも高学歴遺伝子だよっ!!(ウインク)
なおかつ英語教師・佐藤ママの旦那さん→東大卒(弁護士)
多分ね、この遺伝子持ってたら早期教育せずとも普通に小学校から塾通ってたら行けたんじゃないかな……東大……。
ちなみにアグネス・チャンさんの息子さん達にも同じことが言えます。
「遺伝」の影響を無視して「早期教育」だけに焦点を当てるのは都合が良すぎる
もちろん佐藤ママやお子さん達の努力があってこそだけども。
でもそもそもあそこまでの努力ができる時点で常人からはかけ離れているわけですし。
あとは東大合格にのみ焦点が当てられ、東大を卒業したあとの息子さん達の経歴が一切不明なので
そのあたりは何とも言えない気がします。
学歴はあくまで手段であって、人生のゴールではないので。
まとめ
今回の記事は、
もしかしたら早期教育を生業にしている教育ビジネス界の人々が、私のこと見つけ出してボコボコにするかもしれない……
という恐怖に怯えながら書きました。
急に更新が途絶えたらつまりそういうことです(やめろ)
まぁゆーて私も迷路のワークとかパズルとか
いわゆる「知能向上を意識した取り組み」をたまにやらせてみたりします。
ただ息子が興味なさそうなら無理強いはせず、時が来るまで引き出しの奥にそっと忍ばせて……。
また、個人的には英語のかけ流しなどの日常生活に溶け込むレベルの早期教育は
全然良いと思いますね!
私は脳科学者じゃないのでその効果など証明はできませんが、
そのくらいで子供の発達を阻害することはまずないのかなと。
何にせよ……
この1点のみを言いたくてここまでダラダラ書きました。
親としては色々先取させて、少しでも人生を楽に渡れるようにお膳立てしたくなりますが、
それよりも子ども自身が見つけた好きな事を思いっきり応援・理解してあげれば
それが一番脳も心も伸ばすのではないでしょうか。
と、いうのがここまで調べた私の教育価値観です。
ご清聴ありがとうございました。じゃあの!!
【参考文献】
・ビジネスジャーナル 脳は3歳までに80%が完成する! 茂木健一郎氏ら脳科学者が語る、幼児期に才能を伸ばす3つのポイント
・“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由(日経DUAL)
・「『学力』の経済学」著者に聞いた、世界はなぜ「非認知能力」に注目するのか
・3歳児神話 その歴史的背景と脳科学的意味榊原洋一 東京大学医学部小児科(日本赤ちゃん学会)
・「遊びの時間が足りない子」の結構残念な行く末 子どもでいられる時間の重要な意味と意義 ダニエル・J・シーゲル : UCLA医科大学精神科臨床教授 / ティナ・ペイン・ブライソン : 児童青年心理療法士
コメント