きっかけは「うちの子大丈夫?」
【思いやり】を育てる親・潰す親
どうも。
ジブリは紅の豚推しのさいとうです。
私の息子はもうすぐ3歳で、来年幼稚園なんですが、いくつか心配事があるんですよね。
そのひとつ。
対人関係。
単純に、友達できるかなっていう……
お友達と通うような習い事もさせてないし、
歳の近い従兄弟もいないし、
数少ない同年代のお友達と遊ぶことはたまにあるんですが
集団の中に入って何かをするなんて経験滅多になく、結構心配のタネだったりします。
以前似た様な記事を書きました。↓
人見知りは悪い事ではない、むしろあと伸びする子の特徴
というのはもう理解したのですが、
今回はさらに踏み込んだ、
について論文を読んだのでシェアしていきたいと思います。
同じような心配事を抱えている方の、何かヒントになればいいなと!
また、
息子(or娘)のお友達関係大丈夫かな……
と焦らなくてもいいよう、
子供同士の喧嘩のこと、
また幼児がどのようなステップで対人関係を学んでいくのかをまとめました!
この記事ではこんな事が分かります♪
●幼児の喧嘩の動機を年齢別に解説!
●コミュニケーションは大人が介入しないほうが育つ
●思いやりのある子に育てるには?
●「思いやりの心」を伸ばす親・潰す親
喧嘩を止めるな!
よく子供同士が揉めだしたら……
いや、
揉めそうになると飛んできて
何してるの? そんなことしちゃダメよ
と先回りしてトラブルを回避しようと注意するママさんおられますよね。
一見、子供のことをしっかり見ている良い行動かと思われますが、少し違います。
ただ、気持ちはめちゃくちゃ分かります。
トラブルになっても後が怖いし、避けれるなら避けたい。
でも、児童心理学的には
子供の喧嘩は社会性を養うために必要不可欠な儀式
のようです。
もちろん、大きなケガなどに発展しそうになっているのであれば別ですが、
そうでない場合はできるだけ見守るのが吉。
息子も結構、お友達に叩かれたりするんだけど、大きなけがになりそうではない場合、できるだけ止めに入らないようにしてます
自他の調整
って、聞いた事ありますか?
端的に言うと、
自分と相手のやりたいことのバランスを上手く取ること
対人関係において大事な要素ですよね。
幼児から、この自他の調整を多く経験させ、対人関係を築く練習をする必要があるのです。
では、どういう時に「自他の調整」を経験するのか?
「幼児における自己と他者の調整とその発達」という論文によりますと、
幼児だけで何かをやっている時
のほうが、親や先生などが介入している時よりも、自他の調整を経験できているんですよね。
これは幼児だけで活動を進めることで互いが意図したような結果にならず、何らかの調整が必要な場面が生じるため
引用:幼児における自己と他者の調整とその発達
つまり、幼児は幼児なりに、互いに衝突しながらもそこで折り合いの付け方を学んでいるということ。
これを大人が安易に介入し、解決(またはその場から離脱)させてしまうと
学びの機会を奪ってしまうことになるんですね。
そうなると大人になってから人との関わり方が分からず、苦労する可能性があります。
幼児の喧嘩の動機を年齢別に解説!
●単純な物の取り合いから、だんだん攻撃や要請などの相手に向けた行動が増加する
3歳児
●物・場所の独占欲、不快な働きかけ、規則違反
また、自分がやりたい事と違う事をお友達がやっている時(イメージのずれ)などで
喧嘩になりやすい
更に!!
3歳児ではそうした衝突が起きた時に、これまで1~2歳児には見られなかった
無視・無抵抗、単純な抵抗、という行動がでてくるようになり
やがて相互理解へと変化する!!
3歳頃になると,他児と仲間意識を持ち会話などのやり取りをしながら遊ぶ等の活動が生じてくる。
このような活動では幼児同士のいざこざが生じたり,遊びをより発展させていくために他児の行動に介入したりすることが行われる
この頃から意思を持って他の子とのコミュニケーションを取り、
そして衝突した時にはだんだんとどうすればいいかを考える時期になってくるのだな
●葛藤の状況に応じて自分の主張や行動を変えること。また、お友達のやりたい事や言い分にも配慮しつつ、
「自分はこれがしたいんだ」という事をアピールしていく自他調整の方法を獲得する
1~2歳頃から順当にステップを踏んでいき、5歳頃にやっと自他調整の芽が出始める!
幼児期の子供は、お友達との関係の中で、
お友達の気持ちが必ずしも自分と同じではないと悟ったり、
「自分は今これがしたいんだ」という自分の気持ち
について考え学んでいく。
そしてお友達との喧嘩の中で、解決スキルを身に付けていく!
改めて、喧嘩ってめっちゃ大事!!
そうだ、喧嘩しよう。
友達を思いやる、優しい子に育てるには?
賢い子に育てたい、強い子になって欲しい、勉強のできる子に……
など親なので色々思いますが、一番大切なのって
思いやりのある子
これに尽きませんでしょうか?
そもそも思いやりとは何なのか。
相手の立場に立って、相手の気持ちを汲む心
この他者を思いやる心、大体5歳くらいから顕著に出てくるようで
主に
これってこうしたらいいんじゃない?
とアイディアを出し合ったり、
そっちは危ないからここを通りなよ!
と、お友達に対して気に掛けるなどの行為です。
ただし!!
当たり前ですが、同時に反対行動も出てきます。
自分の意見だけを言って友達の意見を聞こうとしなかったり、
友達の行動を悪く指摘したり
なんてことも当然あることなので
うちの子は思いやりがなくて意地悪なのかも……
などと思わないように注意。
これは成長過程における通過儀礼です。
幼児なので思いやりを感じる面もあれば、そうでない時もあるのが当たり前です!
「思いやり」の心や「思いやり」の気持ちは子供の行動からだけでは把握しきれ
るものではないらしいのです。
なぜなら、中には、反対行動として捉えられた行動の内にも「思いやり」の気持ちに通じるものが含まれていることがあるので。
それはまだ子どもの中で「思いやり」というものが十分には高まっておらず、
そのもやもやが、意図せず反対行動の姿で表に出てきてしまっている、という
そういうこともたくさんあるんですね。
分かりやすく思いやり行動が取れないからと言って、
その子を「思いやりのない子」だと決めつけるのは早合点。
他者のために行う行動→【向社会的行動】
向社会的行動
読み方は「こうしゃかいてきこうどう」です
他人を気遣ったり、積極的にポジティブな関わりを持とうとする行動です
つまり思いやりですね?!
このいわゆる思いやりの気持ちは、生まれ持ったものもあるが、
親の関わり方で良くも悪くも変わってくるという。
前提として、
また、
子供のありのままを受け入れて認め、共感している保護者のもとで育つ子は
この向社会的行動が高まっていき、
反対に
服従的、過保護、甘やかしといった養育態度や、子供に対する無関心さが
向社会的行動を弱めていくそうです。
甘やかしって難しいよね。
いまだに甘えさせてあげることと甘やかしのボーダーがいまいち分かってない……
このジレンマは常に抱えています。
というかむしろ、甘やかしに近い行動も多いような気がする(トホホ・・・)
また、
一般的に男児よりも女児のほうが向社会的行動の傾向が強く、異
性間よりも同性間で多く見られます
ほう。つまり子供のうちは女の子同士の関係が一番「思いやり」行動が表れるってことか
確かに女の子って、見てると他人に興味のある子が多い気がしますね。
我が息子はあまり興味がないので、余計そう思うだけかもしれませんが。(ははは。)
ちなみに
かけっこや鬼ごっこといった、競争の遊びよりも
砂場遊びや積み木などで、道具の貸し借りをしたり協力を得ていく遊びのほうが
向社会的行動は表れやすいようです。
また向社会的行動の高い子ほど、そういった遊びを好むのだとか
自分を客観視する力→【メタ認知】
まぁ~た、小賢しい単語が出てきやがったわ
【メタ認知】は、人と適切なコミュニケーションを取ったり、仕事をうまく進めたり自己をコントロールするのに必要な能力です
まぁなんだ・・・とりあえず「生きるのにいるやつ」か。
また、ベネッセ教育総合研究所の調査によると
メタ認知の高い子は、なんと学習意欲や学力も高いということが分かっています。
英国で3~5歳の園児を対象に、メタ認知に関する観察を2年間行った記録があります。
どのような時にメタ認知が起きやすいか?
その観察によると、
という結果が出ました。
つまり、お友達同士や集団の中で協力したりルールを決めたり、時には喧嘩したり。
そこに大人が介入しないほうが、「思いやりの心」やコミュニケーション能力は育つという事です。
ただし、この結果は一人で遊んでいる時や大人との活動時にはメタ認知や調整が生じていないことを示すわけではありません!
表には現れずとも、内的に生じている可能性は十分にありますので
どんどん子供と遊んで、一人遊びもたくさんさせてあげましょう♪
ちなみに!!
ひとり遊びは年少児から年長児に至るまで見られる遊びであり
ひとり遊びをしている子どもが必ずしも社会的スキルが低く、社会的不適応状態にあるわけではないのでそこもご安心下さい。
むしろ一人遊び超大事です。
【オマケ】メタ認知の低さを利用して・・・
このように成長しながら自然と身に付けていくメタ認知ですが……
基本的に子供はこの【メタ認知】が苦手で、自分のこともよく分かっていない状態なんです。
つまりどういうことかと言うと……
親からの評価が自分の価値
となってしまう時期!!(大体小3くらいまで)
加えて、「人は自己評価に見合う行動をする」
という心理があります。
自分を暴力的だと思っている人は、すぐに暴力を振るう……という具合です。
〇〇くんは何でもできる!!
自分は何でもできるんだ!!
行動の原動力になる!!
まとめ
どうでしたか?
思いやり、というのは数値化できず、目に見えないものなので測るのがとても難しいです。
分かりやすくそういった行動をしている子ならまだしも、
内に秘めた思いやりの心を上手に表現できない子もいますので、
幼児のうちに
思いやりのある子になって!
と、お友達に優しく振る舞うことや、思いやりを持てと強要、そしてそれができていない場合は怒る……
などは追い詰めてしまう事になるので、長い時間をかけて様子を見ましょう。
徐々に育まれるものなで、焦っても仕方ないです。
と、自分に言い聞かせています
また、
お友達の物が欲しい、
自分のものを貸したくない
という気持ちは意地悪でもなんでもなく成長における必要な過程であり、
とにかく喧嘩は絶対したほうがいい!!
喧嘩を止めるな!(既視感)
むしろ大人になって喧嘩とかうかつにできないから、幼児のうちにとことんやっとくべき
とはいえ、ママ友間とかだと気使うし、トラブルになることもある。
自分の子がいつもやられる側なのは心苦しいし、
逆に叩いたりしてしまう立場も本当につらいと思います。
「喧嘩は大切」
と口で言うのは簡単だけど、なかなかねぇ……
同じ価値観のママさんなら全然OKですが、
色んな価値観があるので、そこはむやみに押し付けたり否定できないもの。
逆に皆さんどうしてますか?
ブログを読んで下さっている育児中の方々に今一度問いたい。
子供同士が喧嘩していても見守りに徹する人ってどのくらいいるんだろう。
良ければインスタのDMなど送って頂けるとうれC。
私の場合は、あまり親しくないママさんならやんわり仲裁に入っています。(現状)
まぁそんなに友達もいないし、息子も自分からぐいぐいいけない方なので
喧嘩する事自体そんなにないのですが……。(だからこそ対応ミスりたくない)
でも同じく「喧嘩は大事」と互いに認知している知育オタクママ友の時は放置してます。
むしろ「はじまった、はじまった(笑)」とか言いながら、喧嘩してる様子見てる。
一人っ子ママの私からすれば、兄妹がいれば兄妹間で好きなだけ喧嘩できるのでいいなぁと思います。
まぁそんな事言っても何にもならないので、幼稚園までは色んな場所で色んな人と触れ合おう!(強引にまとめた)
【参考文献】
・幼児期から児童期にかけての対人関係及び社会性の発達と他者との協同による学習との関係―自己調整学習の観点から
・幼児における自己と他者の調整とその発達
・幼稚園教育における「思いやり」育成のための実践的研究―M幼稚園における「思いやり」の観点からみた園児たちの実態把握の試み―
・幼児における向社会的行動(思いやり行動)と内的ワーキングモデル
・世界基準の幼稚園6歳までにリーダーシップは磨かれる
・幼児の自己制御認知タイプ と向社会的行動 との関連
コメント