我々人類は出産の痛みから逃げられないのだと悟った日
この度2人目を出産しました!
とてもカオスだった二人目出産レポをしていこうと思う。
今回初めて無痛分娩を選んだのだが…
ひとつ言えることは
思ったんと違った。
もしかすると、これから無痛分娩を迎える方を怯えさせてしまう内容かもしれない…
あとストーリーに軽く書いたところ、同じような方がチラホラDM下さったので
私だけじゃなかった……という安堵感。
が、「全く痛みありませんでした!」という方ももちろんいたので
これはマジで麻酔科医の腕なのか、それとも体質なのか
是非研究を進めていってほしいところ。
出産予定日の9日前
昼間、大掛かりなトイレ掃除をしていた。
尋常じゃないくらい股が痛かったけど
まぁいつものことやと思って
ひたすら息子の補助便座にこびりついた尿の塊を削っていた。
その日の夜中にきた陣痛。
たまたまお義母さんに泊まりにきてもらっていたのでマジで助かったーー!
まぁこの辺はごくごく普通で特に面白くもなんともないので割愛します。
陣痛タクシーの運転手さんがとても良い人だった。
で、病院について赤ちゃんの様子と陣痛の様子を見てもらい、
ちょっとまだ陣痛弱いけど、出血もしてるので入院にしましょう
と言われ入院することに。
ちなみに家から病院までは30分くらいかかるので
(片道タクシー5300円かかる)
私としてはこの時点で
「意地でも帰らないぞ」という気持ち。
※日曜だけど旦那は仕事。というか自営業なので基本ずっと仕事してる
が、
悲しいことに前駆陣痛だったようで、本陣痛には繋がらず、だんだん痛みの間隔が遠のいてゆくという現状。
いわゆる「フライング入院」というやつ。
そういう時は一時帰宅を促されるのが一般的らしい。
私は息子の時、大量の破水から始まっていたから強制入院だった。
本陣痛まだ来そうにないので、一旦帰った方が良さそうですね(⌒∇⌒)
お家で家事などしたほうがお産進みやすい方多いですよ(⌒∇⌒)
入院費もかかってきますし帰られたほうが…(^^汗
すごく帰って欲しそう。
このように助産師さんから幾度も繰り出される「帰れ」のジャブを
新進気鋭のボクサーのようにサッ!サッ!と
曖昧な返事でことごとくかわしていると……
ついにこんな提案をされた。
①一旦退院手続きしてひたすら外歩くか、
②普通に退院手続きして自宅に戻られるか…
どうします?(^^汗
ちょww
こちらに選択肢を与えているようで実は同じこと言っとる(草)
しかも今日雨なんですけど…
少なからず陣痛きてる妊婦に雨の中歩けと提案する斬新なスタイル。
もちろん私レベルになると鋼のハートを持っているので
ここは第三の提案、
はい!じゃあ引き続き入院したまま院内を歩き回ります!!
と元気よく答えた。
Noと言える日本人に育ててくれてありがとう親。
だって痛いもん。(真顔)
前駆陣痛ゆーたかて!!痛いもんは痛いんよ!!
間隔バラバラとはいえ、10分切ってる時もザラにあるんよ!!おらせてくれよ!!まだ他にも陣痛室空いてるし!!入院費なら払うからさぁ!!!
と、もうここまできたら意地でも本陣痛に繋げてやる、結果出してやる、という気持ち。
帰ってほしい助産師さんvs絶対に帰りたくない私
の攻防が続いた時、旦那から電話
息子熱出た
な、にぃーーーーーー!?!?!
それは帰れない!!もう絶対帰れない。
だってもし息子の熱が私に移って発熱、風邪症状出ようもんなら
問答無用で無痛はNGだもの。
「無痛24h対応してます!!」
という理由でこんな遠くの総合病院を選んだのに、無痛がNGとなると何の意味が……
脳裏に思い出されるは4年前の地獄。(息子の出産)
里帰りした高知には無痛やってるところがなかなかなくて、
また私自身、
出産てどんだけ痛いんだろwま、一回味わっとくかw
と出産の痛みを楽しみに(ナメて)いたところもあってノリノリで普通分娩を選んだ。
結果、めっちゃ後悔した。痛すぎて吐きまくっていた。
「お願いします! もうお腹切って出して下さい!!」
と泣きながら先生に訴えると、
「うんうん、痛いよね~」
と華麗にスルーされたことだけ覚えてる。
その時に誓ったのだ。
もし次産むことがあれば無痛しかないと。
速攻、助産師さんに息子発熱の事実を伝えたところ
助産師さんも(渋々)泊まることをオッケーしてくれた。
「夜中のうちにお産が進まなかったら次の朝帰宅しましょう」
という条件で…(とにかくめちゃ帰らそうとするヂァン?)
そこからはもうひたっっっすらに院内徘徊。
息子のことも心配だったから、もう早く産んで早く帰りたかった。
仮眠取りつつずっと徘徊。
産科病棟に徘徊ババァ現る。
そしたら他の陣痛室の妊婦さんにも1人歩き回っている人がいて、
すれ違うたびに
「お互い頑張りましょうね…!!」
と脳内に直接話しかけていた(つまり何も言ってない)(コミュ障)
そんな私の努力が実り、陣痛の間隔もだんだん狭く、そして強くなる。
もうここからは正直あまり記憶がない。
痛くて痛くてケツの穴を壁に押し付けるという対応も
初めは効果があったものの、だんだん効かなくなってくる。
そんな時に助産師交代の時間。
この助産師さんがマジで頼れるアネキで、
何も言わずとも腰をさすってくれ、
ケツノアナをグイグイしてくれ、
明るく褒めて励ましてくれ、
部屋の片付けまでしてくれた。(陣痛室さえも汚部屋にしちゃうさいとう)
でももうとにかく痛くて痛くて。
しかし事前にソフロロジー法をググって勉強していたので呼吸だけは完璧だった。
私のこの美しき呼吸のリズムに
「あのさいとうさんて方、お手本のような呼吸法…さすが経産婦さん…(ヒソヒソ…)」
とおそらくナースステーションをザワつかせていたと思う(妄想)
子宮口は2cmになり、
「赤ちゃんもだいぶ降りてきてますね」
と言われたので
「無痛入れてくださぁい!!」
とすかさず言うと
「まだ早い」と一旦断られる。(ずっと何かを断られてる)
ちなみにこの病院では無痛のタイミングは妊婦が決める。
どのタイミングで入れてもお金は変わらないのだから早く入れた方がいいと今なら思う。
ただそれまでは、
ま、子宮口5cmくらいまでは我慢できるっしょw
と思っていたけど(すぐ調子こいちゃう)
現実は2cmで地を這っている私がそこにはいた。
痛すぎてどうしても立てなくて……
四つん這いで移動するというARISAMA!!
「え?たかが2cmで何やってんのこの人正気か?」
という助産師さんの雰囲気を感じたけど、
もうそんなこと関係なく、本当に立てなかった。
仕方ないといった感じで麻酔の先生を呼んでもらい、
そこから無事麻酔投入の権利を勝ち取る。粘り勝ちである。
「こんにちは~」
と穏やかな雰囲気をまとってやってきたのは
小池百合子氏にそっくりのマダム麻酔科医。
おそらく芦屋の山側に土地持ってる(適当)
終始穏やかな感じで麻酔入れてもらって数分後……
痛みがない!!
(私の脳内↓)
麻酔ってすごい〜!全然痛くないですぅ!
とはしゃいでいると
「あー…全然痛くない…かぁ……」
と何やら意味深な返答。
「今入れたのお試しの弱い麻酔だから
これで痛くなくなるくらいだったらそんな大した痛みじゃなかったねぇ。
陣痛遠のいてお産時間かかるかも」
……
もう「へへへ…⭐︎」と笑うしかなかった35歳。
恥ずかしすぎて2秒前のはしゃいでた自分を殴りたい。
麻酔入れたら歩けないから、おっぱいマッサージして陣痛を促そう!
と言いながら私の乳首をグリグリ揉み出す助産師のアネキ。
お、おっぱいマッサージとは……!?!?
と混乱しつつ私も真似してやってみる。
公衆の面前で己の乳首をひたすら揉むというこれなんてプレイ??
でももうそんなこと言ってられんから無心で揉んでた。
でもその甲斐あってか陣痛は順調に進み、
気付けば子宮口5,6cm!!
からの陣痛の間隔も2〜3分に!!
となると、麻酔がだんだん効かなくなってくる。
「痛み出てきたら早めに教えてね〜」
と麻酔の先生に言われていたので
「あ、ちょっとこれ痛いな…」という段階でナースコール。助産師のアネキ登場。
痛みレベルでいうとどのくらい?まだ耐えれるレベル?あーじゃあもうちょっと痛くなったら教えてね
絶対大袈裟な奴と思われとるでこれ。
と一旦断られる(基本ずっとなにかを断られてる)
でも
「流石にこれは!!13万払ってこの痛みはないだろ!!」
というレベルに達したので
うざがられること覚悟で再度ナースコール。
助産師のアネキは他の分娩で忙しいようで、
違う助産師さんが来てくれたのだが、
この人がまぁもう…なんていうかのんびり屋さんで…。
痛いアピールしてるのに全然麻酔の先生呼んでくれないし同じこと何回も聞いてくるし
いてーしイライラ…
でまぁその後先生きて麻酔追加してもろたんやけど……
全然効かない。泣
よくネットの無痛レポで、
「暇すぎてスマホぽちぽちしてるから充電器の延長コード必須」とか
「無痛中は食べれないのでウィダーインゼリーがおすすめ⭐︎」とか
書いてあったから完全にそのノリだったけど
スマホ!?!?無理無理無理無理!!!
ウィダーインゼリー!?!櫻井翔に飲ませとけ!!
痛すぎてそれどころじゃねぇ!!!泣
どこが痛いってケツノアナよ。あと膣。
もーめっちゃ痛かった…
あまりにも私が痛がるので麻酔の先生も
最初は困惑した表情だったけど次第に呆れ顔に…
というか明らかにイラついてらっしゃる。
マダム「今麻酔入れたけど背中冷たくなった?」
……??(←痛すぎてそれどころじゃない)
マダム「え!?何も感じない!?!?えぇ!?!?」
サスペンスドラマのテーマソング流れ出すかと思った。
それくらいすごい剣幕とリアクションだった。
山村紅葉登場するかおもた。
マダム「背中に冷たいのが流れる感覚ない!?!?」
あ~……あるような……(ないような……)←痛くてそれどころじゃない
私の痛み耐性がなさすぎるのか何なのか、、、
本当にすみませんという感じで肩身が狭かった。
でも途中で気付いたんや。
これ陣痛の痛みじゃねぇ。
だって陣痛メーター?が陣痛感知してない時でもバチクソ痛いもん。
戻ってきた助産師のアネキ
多分赤ちゃんの体勢が悪いんやなー。下向いて頭でグイグイ押してるわ。
あなたでしたか……ソウデスカ。
全くあなたって人は…
昼間はなりをひそめているくせに
夜中になったらドンドコドンドコドンドコドンドコ…マツケンサンバ顔負けのお祭り騒ぎ。毎夜パーリナイして常に私の安眠を妨害してましたね?もう反抗期ですか?
というわけで
「四つん這いになって赤ちゃんの向きを変えよう」
と提案され、四つん這いに。
私は悟った。
人生で、己の最も情けない姿を晒す相手…
それは旦那でも親でもなく、助産師さんだ。
もう35歳なのにでっかいオムツみたいなナプキンのようなものつけて
四つん這いでオケツをグリグリ押してもらう…
全ての助産師さん、本当にありがとうございます。(心から)
マジで思ったな…この仕事尊い。。。
四つん這いになって少しすると、やばい感覚に襲われた。
あ、これ出るわ。(何かが)
何が出るかは分からんけど何かが出そう。
便なのか赤ちゃんなのか分からんけどとりあえずどちらかは確実に出る(汚くてすまん)
出そうです!!出していいですか!!(何かを)
え!?確認するな!!ほんまや!!出るねこれ!うんうん、すごい一気にお産進んだね!!よし、出そう!!
一応分娩の時だけ立ち会いは可能だったから、
産まれる1時間前には事前に旦那に連絡する計画だったけど、(ルールで院内待機は不可)
もうそんな場合じゃぬえ!!
これは出る!!まぁ旦那がいても何もできんしもういい!!!
急いで分娩室へベッドごと移動。ベッドを分娩台に横付けして、
さいとうさん転がって!!
はい!!(ゴロゴロゴロゴロ)
息のあった見事なファインプレー。(この間も激痛)
次の陣痛でいきんでーーー!!
そんな時に1人の初見の可愛い助産師さんが
私のそばにトテトテやってきて、
「〇〇です!はじめまして!宜しくお願いします!」
いや状況見てぇぇ!!!
このタイミングで自己紹介だと…!?!?こいつ…只者じゃない…!!
「ふぁい!!(はい)」としか答えられなかった。
まぁそんな状況下でも私の素晴らしき自主練の成果を発揮。(ソフロロジー)
そうそう!もう出そうだよ~!すごい上手!うんうん!
ぐぉ~~~~!!(獣)
早よ出てこんかい!!!股がやばい!!
破壊される私の下半身を表現↓
と心の中で叫びつつ
無事お子をひねり出した。
出てきた瞬間、驚くほど冷静だった。
あぁやっと終わった……
という気持ち以外の感情が全部飛んで行った。
タオルに包まれた我が子を体の上に乗せてもらった時、そこで初めて可愛いと思った。何もかもが小さくてすべすべで、本当に可愛かった。
そしてその後、裂けた股を縫ってもらう時に麻酔の先生が
「縫うから痛いよ、麻酔入れるからねー」と入れてくれていたのだが
ありがとうございます!でも耐えられないほどではないです!(キリッ)
今更どの口が言うとんねん。
麻酔科医の先生もこんな感じ
「……(苦笑い)」
さっきまであんだけ痛いって転がってた奴が今更股のチクチク程度で
「自分痛みに強いです!」アピールするの草。
とか思われたんだろうな
あ、誤解ないように言っておくと、麻酔の先生は丁寧で穏やかで常に気にかけてくれる優しいマダムでした。
ただその後、入院中に無痛分娩のアンケートを取りに他の麻酔科医の方が訪問にきたんだけど
【無痛分娩の満足度を5段階評価で教えて下さい】
って言われたにはしっかり「2で」って答えた。
(絶対に忖度しないさいとう)
今回、無痛分娩を初めて経験して思ったことがひとつある。
もちろん、普通分娩の時よりはマシだよ。
痛すぎて吐くこともなかった。だからやっぱり麻酔って偉大。麻酔万歳。
ただ「無痛」って名乗るのだけはやめてほしい。
勘違いしてしまうジャン?
あ、なーんだ痛みないんだ。出産てラクショーじゃんって思っちゃう。
そんなことない。無痛の人もいるかもしれない。
でも人によってはちゃんと痛い。しっかり激痛。(個人差ある)
【無痛かもしれない分娩】に名前を変えることを国に提案したい。
と、少し前大炎上しておりました生田斗真さんにもお伝え下さい。(全くアンチではない)(むしろ好き)
そして最後にもう一言だけ……
前駆陣痛で帰らなくて良かったぁーー!!!!
あの時助産師さんの言うことを聞いて帰ってたら多分またすぐに病院に逆戻り…
モヤモヤした気持ちを抱えながら陣痛に挑んでいたと思う。
どうせ結果論なのだから、いざマイナスの事態になっても自分が納得できる(他責せずに済む)選択肢をとろう!!
みんなも自分を信じようぬぇ!!
じゃあいくよ!せーの!!
「「「I believe!!!」」」
(なんか怪しいセミナーみたいになったけど終わります)
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